私はWEBデザインを学ぶにあたって、デジハリ名古屋(デジタルハリウッドSTUDIO名古屋)に通っていました。
デジハリではカリキュラムの最後に集大成として卒業制作という名で何かサイトを作るのですが、せっかくなので卒業して半年経った今、私が卒業制作で実案件をやってみて考えたことを紹介をしたいと思います。
実案件に挑戦してみて思ったこと
卒業制作は架空のサイト(例えば自分が好きなサイトをリニューアルしてみるとか)でもいいし、クライアントを見つけて実際の案件としてサイトを作ってもどちらでも大丈夫でした。
私は知人から声をかけていただき、ありがたいことに、そちらのサイトを作らせていただきました。
実際に卒業制作で作ったのサイトはこちら(特定非営利活動法人CAN)です。今もたまにコンテンツを追加したり、修正したりしています。
ちなみにサイトを見返すと反省点もあるのですが、クライアントさんは気に入って使ってくださっていると聞き、今後も頑張ろう!とやる気をいただいてます(嬉泣)
実案件に挑戦してみて感じたメリット
実案件に挑戦する自信がない・・・と思う方もいるかもしれませんが、私は実案件を通して学ぶことが非常に多かったので、おすすめしたいのです。
では実案件を通して感じたメリットをお伝えします。
①最低限のサーバーの知識をつけることができる
納品の仕方にもよりますが、おそらく実案件を卒業制作としてサイトを作る際は、自分でサーバーにアップロードすることになることが多いと思います。
サーバーにサイトをアップするのって最初はすごくドキドキして、データが消えたらどうしよう・・・とか色んな不安に駆られがちです。ちなみに私はFileZillaのFTPソフトを利用しています。
架空サイトであれば、サーバーにアップロードしなくても特に問題はないのですが、実案件だと、アップロードしないとサイトとして成立しないので、怖くてもなんでもやらざるを得ません。そうなるとやり方を調べる必要が出てきて、最低限のサーバーの知識が自然と身に付きます(笑)
最悪わからなければ、デジハリのトレーナーにも質問ができるので、理解できるまで聞いてみたらいいと思います。
もし実案件じゃなくても、WEB制作を仕事にしていくならサーバーの知識はあったほうがいいので、何かをアップロードしてみたりと練習する機会を作ることをおすすめします。
私がやった卒業制作は新規サイトだったので、サーバーとかドメインを契約したり、Wordpressインストールしたり、.htaccess書き換えたり、ローカルからサーバーにアップロードしたりと色々やってました。しばらくするとなんだこんな感じか!!ってわかってきて面白かったです。
今、フリーランスとして仕事でサーバーを触っていると、同じサーバーにリニューアルサイトを作るときはどうするのか?ドメインは一緒だけど違うサーバーにリニューアルサイトを作るときはどうするのか?DNSサーバーの設定はどうするのかといった、これまでとは違う疑問にも向き合うことが多く、変わらず調べる日々は続いています。
でも、デジハリ在学中にサーバーにアップロードをする実験が色々とできたので、知識がゼロじゃない分、そこまで怯えずに習得していけています。
②実績として紹介できる可能性が高い
架空サイトとして、何かのサイトのリニューアルサイトを制作する場合、元サイトの著作権などの関係でせっかく作っても、自分のポートフォリオサイトに堂々と載せることができない可能性があります。
実案件の場合はクライアントがNOと言わない限り、堂々と載せることができます。
就活するにもフリーランスでやるにせよ、実績として紹介できるサイトが1つでもあるかないかは違うと思います。
実際に他の人に自分がやっていることを話す機会があった際に、「架空のサイトなんだけど・・・」というよりは、実際にURLを送って「このサイト作ったんだよ!」と言える方がなんだかいいですよね?(笑)
③リアルな要望を聞くことができる
ゼロからサイトを制作するとなると、クライアントの方から要望を聞くことになります。
どういうデザインにしたいのか?どういう機能をつけたいのか?など、色々と聞いていると、自分では想像できないリアルな要望を聞くことができ、それに応えるためにどうすればいいのかと考えるのは実案件ならではかと思います。
もちろん架空のリニューアルサイトを作るとして、サイトの問題点を考え改善するという過程で学ぶことも多いとも思いますが、向き合うリアルなクライアントがいる実案件の場合、自分の考えだけでは完結できず、クライアントに相談したり確認するということが何度も発生することになるたり、この過程で学ぶことはとても濃いです。
私の卒業制作におけるクライアントは、居場所がない若者が気軽に行けるピッケノハコ(ピッケという名前の猫がいる)というスペースを提供し、その人に必要なサポートをしているNPO法人でした。(詳しくはサイトを見てみてください。)
一例ではありますが参考までに、私のクライアントの要望には
・アットホームだけれど、法人として信頼さえるようなデザインにしたい。
・猫がいるという特徴があるけれど、保護猫団体ではないので勘違いはされたくない。
・PDFで作成している事業報告などを載せられるサイトにしたい。
・必要に応じて自分達で情報の更新や追加ができるようなサイトを作りたい。
・紙に書いたイラストを素材として使いたい。
・黄色をメインカラーにしたい。
といったものがありました!
どうやって実案件を手に入れる???
実案件をやってみたいけど、そもそもその機会をどうやって掴めばいいのか・・・と悩むみますよね。私もそうでしたが、実案件で卒業制作をやっている人は家族の事業のサイトや、知人のサイトという場合がほとんどでした。
ただ、こういう人脈経由で手に入れるとしても、前提として自分がWEBサイトを作れるよ!!ということを周りに発信する必要があると思います。
私は発信として、Instagramのストーリーでちょこっと勉強していることを挙げるようにしていました。そうすると友達からDMが来たり、会った時とかに、ストーリーで見たけど何やってるの?サイトが作れるの?と聞かれることが増えて、作ってもらうことできる?と声をかけていただくまでに至りました。
それまではInstagramのストーリーはほぼ使わない。そういう発信は恥ずかしくてしたくない・・・と思っていましたが、フリー活躍している友達が発信は大事だよ!!!と言っているのを聞いて、やってみることにしました。
私はフォロワーも200人台と特に多いわけでもなく、勉強に関してのストーリーの投稿の頻度は1ヶ月に1〜2回と少なかったのですが、見てくれる人は見てくれるんだなと!
あと、これは余談ですが、Instagramのプロフィール欄にWEBデザイン勉強中などと加えておくと、コピペかな?と思う内容の知らない人からのDMが増えました。(笑)
もしそういう人脈は厳しいけど、実案件がやりたい!!というのであれば、サイトを持ってない、もしくはサイトが昔のままでアップデートされていないクライアントを探して、直接自分で営業してみるのも方法の一つかなと思います。でもこれができるなら、すごい強みになりますね!!
卒業制作の実案件においてお金をもらうか否かという問題もあると思います。
ここに関しては、私の考えでは何が正解というのはなく、サイト制作の作業時間への対価をもらいたければ金額をきちんと伝えるべきだし、経験と思って無料で作るという選択肢もあってもいいかと思います。
私の場合は実績も経験もまだまだ未熟であるということを踏まえ、卒業制作の一環として勉強のために作らせていただくという姿勢で特にお金はいただきませんでした。
実務案件をやるにあたって、一つ言えるのはクライアントがサイトに自分達で運用できる更新コンテンツ(ニュース、ブログ、追加できるメニュー等々)を載せたい!!という場合、よく考えましょうということです。
更新コンテンツを載せる場合、WordPressといったCMSの知識が必要になる可能性が高いので、せっかく実案件をやる機会を手に入れたけど、そこの知識が不足していると『作れません』と伝えざるを得なくなりがちなので、自分が作成できるサイトのレベルというものは客観的に理解しておく必要があります。
静的なサイトしか作れない場合は、内容の変更のたびにコードを書き換える必要があるので、更新コンテンツの実装を要望として承る際は、特に気をつけたほうがいいと思います。どうしても必要という場合は更新の頻度なども確認して、基本的には制作者が都度対応しますと伝えることになると思いますが、そこの契約をどうするのかは要相談かと。
WordPressを使って動的なサイトを作れる、もしくは作れるように勉強しているというかたは、とてつもなく複雑な機能でない限りは更新コンテンツがあるサイト制作に挑戦してみてもいいと思います。時間があるなら、自分のポートフォリオサイトをWordpressで制作し、色々と練習してみてから実務案件に挑むと安心して向き合えると思います。
結局のところクライアントに自分の力量不足で迷惑をかけないように、頑張りましょう!!と言いたいところですが、困ったらデジハリのトレーナーさんに相談してみて助言をもらうのがいいと思います。Wordpressに関しては詳しくない方も校舎によってはいらっしゃるので、詳しいトレーナーさんを探して、たくさん質問してみましょう!!あとは、Wordpressに関してはネットに情報が豊富にあり、書籍も多いので、できることの幅を広げるために、とりあえず勉強をしてみることをおすすめします!!
卒業制作をどうやって進めたか?
私はクライアントと直接会って打ち合わせをしたことは一度もありませんでした。
と、言うのも、私は現在名古屋在住なのですが、クライアントは札幌にいたからです(ちなみに札幌は私の地元です)。クライアントが知人というか友達だったこともあり、基本的にはZoomで打ち合わせしたり、LINEで進捗を報告したり、Googleドライブで原稿や画像素材のやり取りをしながら進めました。
そういう手段を取れるため、WEBサイトはクライアントの近くにいなくても制作を進めることができ、オンライン上で完結できるのでいいですよね。
当時はサーバーの知識もそこまでなかったので、画面共有で途中の状態を見せたりしていましたが、今思えば、テストサーバーを作成してうまく利用すればもっと楽だったなと。
制作時に特に意識したこと
私が卒業制作において特に意識した点は、クライアントのが使うことを想定したサイトづくりでした。
そのため、サイトの見える部分に限らず、クライアントが自由に使いやすい(運用しやすい)ようにWordpress化をするという見えない部分についても配慮しました。
更新できるようにしたい部分の要望が多岐にわたったので、最初はやり方もよくわからず勉強しながら試行錯誤で進めましたが、動的に更新させたい部分に関しては細かく設定し、カスタム投稿を10種類以上作っていく中で、鍛えられました。ただ、追加や更新をしても崩れないサイトという点を重視し、デザイン的に妥協した部分もあり、心残りもあるのですが、私が介入しなくてもサイトを維持できるように作ることができたのはよかったです。
まとめ:実案件はクライアントと誠実に向き合うことが重要。
当たり前のようなまとめですね。(笑)
でも、いくら技術があっても、クライアントのことをしっかりと考えていないと長く使ってもらえるサイトにはならないのかなと思います。ヒアリングとコミュニケーションはしっかりやりましょう!
そして、卒業制作を実案件でやるならプロとして向き合いたい思いもわかりますが、自分を飾ったりせずに、クライアントには自分が勉強中であることはきちんと伝えておきましよう。
加えて、スクールのトレーナー(プロ)に聞ける環境もありますとも。そういう面も誠実に伝えたほうが何かあった時に、相手にも理解をしてもらいやすくなり、安心して向き合うことができます。
実案件は責任も伴うので大変な面も多いかと思いますが、卒業制作の実案件を通して学ぶことは技術的な知識だけではなかったので、本当にやってよかったです。この経験があるからこそ、今、フリーランスとしてはまだまだなのですが、挑戦していきたいという気持ちに繋がっています!
卒業制作で実案件に挑戦できれば、成長に繋がりそうですよね?
ぜひ、この記事を読んで勇気が湧く方が一人でもいれば嬉しいです。